
葬儀に参列する際、「喪服に合わせるバッグ」にも細かなマナーがあります。服装だけでなくバッグまで気を配ることで、故人への敬意をしっかり示すことができます。基本を押さえれば突然の訃報にも落ち着いて対応できるので、失礼にならない喪服バッグの選び方を以下に詳しく解説します。
喪服バッグは「黒・無地・控えめ」が基本
葬儀の場にふさわしいバッグを選ぶ際は、「黒」「無地」「控えめ」という3つの条件が基本です。迷ったときは、この3点を満たすバッグを選べばまず問題ありません。
迷ったらこの3条件を満たせば問題ない
葬儀用バッグの基本は「ツヤのない黒色の無地」です。具体的には以下のポイントを押さえましょう。
- 色:光沢のない漆黒の黒を選び、 黒一色 の落ち着いた印象のものにします。迷う場合は「より黒いほうが安心」と覚えておくと良いでしょう。
- 素材:マットな質感で光を反射しない布製が基本です。革製でも光沢を抑えたシンプルなものなら許容されますが、エナメルやサテンなどツヤの強い素材は避けます。
- デザイン:飾り気がなく控えめなデザインにします。金具やロゴが目立たないシンプルなバッグを選び、サイズも必要最低限の荷物が入る小ぶりなものが無難です。
以上のポイントを満たすバッグであれば、通夜・葬儀・法要などどの場面でもマナーを守った装いになります。迷ったときは「黒・無地・控えめ」という基本条件を思い出しましょう。
なぜこの基準が「正解」とされているのか
これらの基準は、葬儀の場で故人やご遺族に敬意を払うためのものです。葬儀では主役はあくまで故人であり、参列者の装いが目立たないよう配慮することが礼節とされています。光沢のある素材や華美な装飾は祝い事を連想させたり周囲の目を引いたりしてしまうため、不適切とされます。また、動物の革製バッグは「殺生」を連想させ弔事には相応しくないとされていましたが、現在では艶消し加工された牛革・羊革など控えめな革製であればマナー違反とみなされない傾向があります。地域や宗派によっては今も布製が望ましい場合がありますが、いずれにせよ光を反射しない素材であることが最も重要です。
以上のような背景から、「黒・無地・控えめ」の喪服バッグが葬儀マナーの“正解”とされているのです。
なぜ葬儀ではバッグまでマナーが問われるのか
葬儀では服装だけでなく持ち物全てが礼節の一部とみなされます。小物類も含めてトータルで弔意を示す装いを整えることが大切です。中でもバッグは人目に触れる機会が多く、目立つバッグは周囲の印象を左右しかねません。
葬儀では小物も含めて装いと見なされる
一般的に喪服に気を配る人は多いですが、バッグにも服装と同様に守るべきマナーがあります。葬儀の場ではアクセサリーや靴、バッグといった小物もすべて含めて参列者の身だしなみと見なされます。例えば服装が完璧でも、バッグがカジュアルだったり派手だったりすると、それだけで礼を失してしまう可能性があります。逆に言えば、バッグまで含めて喪に服した控えめな装いを整えることで、故人への哀悼の意を表すことができるのです。
バッグは受付・焼香時に特に目に入りやすい
バッグが目立ってしまうタイミングとして、受付での香典受け渡し時や焼香の列に並ぶ時が挙げられます。これらの場面では自分の順番を待つ間や動作の際に自然とバッグが人目に触れやすくなります。そのデザインや色使いには注意が必要です。特に皆が黒い装いの中で一人だけバッグが浮いていれば、多くの人の記憶に残ってしまいます。そうならないよう、受付や焼香時にも違和感のない控えめなバッグを持つことが求められるのです。
喪服バッグの基本マナー
ここからは喪服に合わせるバッグ選びの具体的なマナーを、いくつかのポイントに分けて説明します。色・素材・形・サイズ・金具装飾といった観点から、それぞれ基本となる考え方を押さえておきましょう。
基本の色とは?
バッグの色は迷わず「黒」が原則です。フォーマルな葬儀の場では喪服と同様、バッグにも派手さを避けた落ち着いた印象が求められます。たとえ形や素材が適切でも、色が黒以外だとそれだけで目立ってしまうため避けましょう。特に艶のある赤や青などは論外ですが、一見地味に思えるグレーや茶色でも光の下では意外と目につくものです。
「手持ちのバッグが黒以外しかない」という場合でも、葬儀では原則黒以外はNGと考えてください。急な通夜でやむを得ない場合にごく濃紺やダークグレーが許容されるケースもありますが、基本は深い黒で統一するのが最も無難です。濃紺や濃い茶でも、角度によって色味が出れば「黒ではないバッグ」として目立ってしまいます。疑問に感じたらより黒いものを選ぶのが正解と言えます。
素材の選び方
素材は光沢のない布製がもっとも正式とされています。具体的には、トリアセテートやポリエステルといった黒い布地で作られたフォーマルバッグが一般的です。革製バッグについては、前述の通りかつては「殺生を連想させる」という理由で避けるべきとされていました。特に毛皮素材などは華美だったり動物の姿を連想させたりするため厳禁です。しかし近年では、光沢を抑えたスムースな革製であればマナー違反とまではみなされなくなっています。実用性・耐久性の観点から革を選ぶ人も増えており、雨天時の撥水性など布にない利点もあるためです。しかし、迷ったときは布製を選ぶのが確実でしょう。革にする場合でも、表面がツヤツヤしたものは避け、艶消し加工された落ち着いた質感の本革・合皮を選びます。合成皮革でもマットなどの良質な素材であれば問題ありません。
まとめると、ベストは黒布製または艶消しの黒革製となります。それ以外はなるべく避けましょう。また、バッグ本体だけでなく、持ち手やフラップ部分の素材感にも注意し、全体として光沢を感じさせない落ち着いた素材を選びましょう。
形に決まりはある?
バッグの形状に厳密な決まりはありませんが、葬儀の場にふさわしい形として一般的に自立型のハンドバッグが推奨されます。具体的には、床や膝の上に置いた際に安定して置ける台形や長方形のハンドバッグが好ましいです。一方で、避けるべき形としてよく挙げられるのがリュックサック、ショルダーバッグ、トートバッグといったカジュアルなスタイルのものです。これらはたとえ色が黒くシンプルでもカジュアルな印象が強いため、フォーマルな場にはふさわしくありません。ショルダーバッグは両手が空く利点がありますが、喪服には似合わずカジュアルに見えてしまうので避けるのが無難です。ただし身体の事情でショルダーバッグでないと難しい方は、できるだけ地味なデザインに留めましょう。葬儀用バッグとして売られているものはほとんどこの条件を満たしていますが、手持ちのバッグを代用する場合は形もチェックポイントです。「きちんと感のある形か?カジュアルすぎないか?」という視点で判断してください。
適切なサイズとは
葬儀用バッグのサイズはできるだけ小さめが基本です。必要最低限の持ち物(香典、数珠、袱紗、ハンカチ、財布、スマホなど)が収まる程度のサイズを目安に選びます。具体的には女性用ハンドバッグなら横幅30cm未満くらいのものが一般的で、それ以上の大きなバッグは格式的にもカジュアルとみなされ敬遠されます。もっとも、現代では長財布やスマホなど嵩張る物を持つ人も多く、「昔の典型的な葬儀バッグでは小さすぎて全部入らない」という声もあります。そのため最近はマチが広く荷物の出し入れがしやすい構造のバッグも増えています。バッグ自体の寸法は小ぶりでも、底マチがたっぷり取られていて収納力があるタイプだと安心ですね。開口部が大きく開き、中身を出し入れしやすいデザインも実用的です。
大事なのは「必要なものが収まる範囲内でできるだけ小さい」というバランスです。無理に極小バッグに詰め込んでパンパンではかえって不格好なので、香典袋や数珠など必需品がきちんと収まるサイズは確保しましょう。そのうえで、バッグ自体が大きすぎないかに注意します。明らかに余計な荷物まで入りそうな大容量バッグは、「荷物が多い=段取りが悪い」ような印象を与えかねずマナー違反とされています。
金具・装飾
バッグについている金具や装飾にも注意が必要です。弔事の場では光るものや華美な飾りはふさわしくありません。したがって、バッグに目立つ金属部分があるもの、装飾的なアクセントが付いたものは避けます。
具体的には、ロゴの金属プレートや光沢の強いファスナー・バックルなどが表面に見えるデザインは避けましょう。留め具にマグネットボタンなどを使っている場合でも、金属光沢が目立つものは避けるのがマナーとされています。ファスナーについても、キラキラ光るゴールドやシルバーのものが前面に露出していると目立ちすぎます。どうしても必要な金具が付属する場合は、黒く塗装されているかマット加工され目立たない色のものを選びましょう。
バッグ自体の装飾についても、基本は飾りのないシンプルなものが望ましいです。リボンやフリル、ステッチ模様など装飾要素が強いものは避けましょう。ただし喪服用バッグには同色の小さな布リボンがワンポイントで付いているデザインも市販されています。その程度の控えめな同色リボンであれば許容範囲との意見もありますが、判断に迷う場合は無いに越したことはありません。光沢のあるビーズ飾りやラインストーン、目立つステッチ柄などは論外です。
まとめると、必要最低限の機能的な金具以外は極力ないものが理想です。必要な金具も目立たない工夫がされているデザインを選びます。装飾はできれば皆無、あってもごく控えめな同色装飾に留めるのが無難です。大きく派手なロゴ入りデザインは葬儀用バッグには不適切です。シンプルなバッグを心がけ、葬儀の場で光るものがないバッグを持ちましょう。
こんなバッグは避けたい
上記の基本マナーを踏まえると、葬儀の場に不適切とされるバッグの具体例が見えてきます。「これはNG」という代表的な例を挙げますので、手持ちのバッグが該当しないかチェックしてみてください。
エナメル・サテンなど光沢素材
光を強く反射する素材のバッグは葬儀には不向きです。代表的なのがエナメルやサテン生地のバッグで、角度によってテカテカと光り輝くような質感のものは避けましょう。葬儀の場ではキラキラした要素は排除するのがマナーであり、ツヤのある素材はそれだけで華美な印象を与えてしまいます。具体例を挙げると、漆のような光沢がある黒エナメルのハンドバッグや、表面がサテンで光沢仕上げされたクラッチバッグなどはNGです。ビニールコーティングで光沢のあるバッグも避けたほうがよいでしょう。光を反射しない素材であることが大前提なので、マットな布地やスムースレザー以外の光沢素材は選ばないようにします。また、ラメ糸やスパンコールがあしらわれたバッグも避けましょう。艶消しで落ち着いた質感かどうかが判断基準ですので、少しでも「光っている」と感じるバッグは避けてください。
ロゴが目立つバッグ
ロゴマークや記号的な意匠が表面で目立つバッグ、金属プレートや刻印などが視線を集めるバッグは弔事に不向きです。黒であっても、装飾として“見せる要素”が強いと、場の厳粛さから浮いてしまいます。また、バッグ全体に繰り返し模様が入っているものや、同色でも模様が浮き出るデザインは、照明の当たり方で柄がはっきり見え、結果として華美に映ることがあります。手持ちで代用する場合は「一切の意匠が主張しないか」「金具が光らないか」を基準に、少しでも迷うなら別のバッグに切り替えるのが安全です。どうしても黒いバッグがブランド物しかない場合、ロゴの有無や金具の目立ち具合を確認してください。可能ならフォーマル用にロゴ無しのバッグを用意するか、知人や身内から借りるなどして対処しましょう。
トート・リュックなどカジュアルな形
カジュアルすぎる形状のバッグも避けなければなりません。中でもトートバッグやリュックサックはシンプルでもカジュアルな印象が強いため、葬儀の場にはふさわしくありません。ショルダーバッグも同様です。肩掛けやリュックはビジネス・普段使い寄りで、「改まった席に来た」という雰囲気から外れてしまいます。
男性の場合、ビジネスブリーフケースを持って参列する人もいますが、これも本来は避けるのが望ましいです。大きく膨らんだ書類カバンを抱えて葬儀会場に入るのはやはりカジュアルすぎる印象になります。できればクロークやロッカーに預けて、式場には持ち込まないようにしましょう。仕事帰りでどうしてもという場合以外、男性も荷物は最小限にまとめ、必要でなければバッグ自体持たずに参列するのが正式です。
女性でも、黒のトートバッグだから良いだろうと持って行くのは注意が必要です。いくら黒でもトートやエコバッグは日常感が強いため、「略式」の印象を与えてしまいます。最近は布製のサブバッグとして黒無地のトート型を持つ人もいますが、これもメインバッグとは別に荷物用として用いるにとどめ、式場内では必要最低限だけを手元に残す配慮が大切です。葬儀にはフォーマルバッグと決まっているわけではありませんが、礼装用のハンドバッグ以外は基本避けると覚えておきましょう。
派手な金具・ファスナー・装飾付き
バッグ表面に目立つ金具や装飾が付いているものも避けたい例です。具体的には、キラキラ光る金色や銀色の金具、大ぶりのバックルがデザインのポイントになっているバッグ、ファスナーが露出しているデザインで金属光沢が目立つもの、チェーン使いのストラップなどが該当します。葬儀の場ではアクセサリーですら真珠など控えめなもの以外は避けるくらいですから、バッグに付属する金属的な装飾もできるだけ無いほうが良いのです。
また、ラインストーンなどがあしらわれているバッグやリボンやフリルが目立つデザイン、レースや刺繍で模様が入ったデザインなども派手に映る可能性があります。特にリボンは黒でも大きいと目につきますし、結び目が「蝶結び」だと慶事を連想させるとの意見もあります。目立つ装飾全般は避けるのが賢明です。
通夜・葬儀・法要でバッグは変えるべき?
「通夜・葬儀・法要といったそれぞれの場面で、バッグを使い分ける必要があるのか?」という疑問を持つ方もいらっしゃると思います。基本的なマナーは共通ですが、通夜は急な場合の多少の緩和、葬儀・告別式は厳格な場、法要はやや平服に近い場合もあるといった違いがあります。ここでは場面ごとに求められる基準について説明します。
通夜で許容される範囲
お通夜は急な夕方以降の儀式で、参列も「取り急ぎ駆け付ける」という性格が強いため、葬儀本番に比べて若干平服寄りでも許容される場合があります。バッグについても、通夜に関しては多少の例外が認められるケースがあることを知っておきましょう。具体的には、「黒のフォーマルバッグを用意できなかったがとりあえず駆け付けたい」という場合、黒無地で光沢の少ないシンプルな鞄であれば正式なフォーマルバッグでなくとも代用が可能とされることがあります。たとえば通勤用の黒いバッグでも、金具が目立たずマットな質感であればやむを得ず通夜で使っても許容される場合があるということです。
もちろん可能であればベストは正式な黒の布製バッグですが、訃報は突然訪れることもあります。急な通夜では、「絶対にこれでなければダメ」というより実情に即した柔軟さも一部認められるのです。実際、急いで駆け付ける際に全員がフォーマルバッグを持っているとは限りません。そのため、濃紺やダークグレーなどの地味な色味なら一時的にOKとされるケースもあります。ただし、そうした場合でもできるだけ地味なものを選ぶことが大切です。派手な装飾があるものやカジュアルすぎるバッグはどんな事情であれNGです。
葬儀・告別式で求められる基準
葬儀・告別式は故人を送り出す正式なセレモニーであり、最もマナーが厳格に求められる場面です。したがってバッグもできる限り正式で適切なものを用意する必要があります。通夜では急場しのぎで済ませた人も、告別式当日までには正式な喪服バッグを準備することが望まれます。葬儀・告別式では、前述した「黒・無地・控えめ」の基準を満たすバッグを使用しましょう。深い黒色のフォーマルバッグ以外の選択肢は基本的には避けましょう。仮に通夜で紺のバッグを使ったとしても、告別式では黒に変えるべきです。また小物類もすべて黒で統一し、会場全体が厳粛な黒で揃うよう配慮するのがマナーです。また葬儀では式場によってはクロークが用意されていることもあります。ビジネスバッグや大荷物で来た場合、式場に持ち込まずクロークに預けるのが一般的なマナーです。預けず席まで持ち込むとしても、椅子の下に目立たないように入れるなど配慮が必要です。このように葬儀本番では細部までマナーが問われますから、バッグも含めて準備万端整えて臨みましょう。葬儀・告別式では通夜以上にフォーマル度が求められると認識し、万全の準備で故人とのお別れに臨みましょう。
法要・一周忌でも使えるバッグとは
法要(法事)とは四十九日や一周忌など、葬儀後に営まれる追善供養の儀式です。親族中心のことも多く、葬儀ほど厳粛ではない場合もありますが、それでもやはり故人を偲ぶ正式な場であることに変わりありません。従ってバッグも基本的には葬儀と同じく黒のフォーマルバッグを使用するのが無難です。
特に、四十九日は忌明けの節目、一周忌は喪中の区切りとされることが多い大切な法要です。参列者の服装も喪服で揃えることが多く、その場合バッグも葬儀用のものを使いましょう。葬儀のときに用意した黒バッグをそのまま法要でも再利用すれば問題ありません。むしろ慶弔両用などより、弔事専用のシンプルなブラックフォーマルバッグが最適です。
一方、三回忌以降の法要や規模の小さい法事では、もう少し平服に近い略式になる場合もあります。例えば喪服ではなく地味な平服で行う家族だけの法事などです。そのような場合でも、バッグだけ派手になることがないよう注意しましょう。平服とはいえバッグも黒かそれに準じる落ち着いた色を選びます。派手な柄物やカジュアルなバッグは避け、できれば葬儀用バッグを使うのが安心です。なお、最近は法要を自宅で簡略に行うケースなどもあります。その場合は必ずしも全身喪服でなくても構わないこともありますが、バッグだけ浮かないよう気を付けましょう。
結論として、法要・一周忌でも基本は葬儀用の黒バッグで対応可能です。むしろそのために一つ用意しておけば、この先の弔事でずっと使い回せて便利と言えます。葬儀だけでなく入学式や卒業式など慶事にも使えるデザインを選ぶのも一つの選択肢です。
手持ちのバッグで代用できるか判断する
「葬儀用のバッグを新たに買うべきか、それとも今持っている黒いバッグで代用できる」と迷う人も多いでしょう。ここでは手持ちのバッグがフォーマル代用可能かチェックするポイントと、代用が難しい場合の判断基準を解説します。
代用できるバッグの条件チェック
まず、手持ちバッグを代用する際には以下のチェックポイントを満たしているか確認しましょう。
- 色が黒一色であり、光沢のない素材か?
- 金具やロゴが目立たないシンプルなデザインか?
- 必要な持ち物が入る小ぶりなサイズか?
- サブバッグが必要な場合、黒無地でマナー対応できているか?
以上の条件をすべてクリアしていれば、手持ちのバッグを葬儀用に代用できる可能性は高いです。「黒・無地・控えめ」の基準に沿っているかどうか、改めて自分のバッグを確認してみてください。
買い足すべきか迷ったときの判断基準
手持ちで代用できそうなバッグがない、あるいは微妙な場合、新しくフォーマルバッグを買い足すべきか悩むこともあるでしょう。その判断基準として考慮したいポイントを挙げます。
- 現在のバッグがマナー基準を満たしているか: 上記チェックで一つでもNG項目がある場合、無理に代用せず買い足した方が安心です。「黒ではあるが金具が派手」「サイズが大きすぎる」など引っかかる点があるなら、フォーマル用意を検討しましょう。不安要素を抱えたまま参列すると落ち着かないものです。
- 今後の弔事の可能性: 年齢を重ねるにつれ葬儀への参列機会は増えます。親族側として参加することも多くなるでしょう。数年に一度は使う可能性があると見込まれるなら、早めに1つしっかりしたフォーマルバッグを持っておくことをおすすめします。一度きりではなく長く使えるものを選ぶことが大切です。
- 立場や参列頻度: 自分が今後どの程度弔事に関わりそうかも判断材料です。例えば会社勤めで同僚の葬儀があるかもしれない、親族が高齢で増えるかもしれない、など参列頻度が多くなりそうなら購入に踏み切りましょう。一方、ごく若く今後しばらく弔事の予定がないなら、無理に買わずレンタルで済ます選択肢もあります。
- 急な訃報への備え: 「急ぎ用意する方法」が取れるかも検討します。時間がない場合でも紳士服店や百貨店で購入、ネット通販の即日発送で簡易なフォーマルバッグ購入など手はあります。しかし当日に探し回るのは大変です。突然の訃報にも対応できる準備ができていると安心でしょう。不安があるなら今こそ準備のタイミングとも言えます。
総合すると、「手持ちで間に合わないなら早めに買う」「使用頻度が低ければレンタルも検討」が基本方針です。最近は喪服一式レンタルサービスもあり、バッグ単品や喪服+バッグのセットレンタルも可能です。数年に一度程度の利用なら費用対効果でレンタルを選ぶのも一つの手でしょう。
しかしレンタルは返却期限やサイズ制限もありますし、いざという時すぐ使える安心感はやはり自前で一式持っておくことです。迷ったときは、今後の冠婚葬祭全体で使い回せるかも含めて検討してください。フォーマルバッグは慶弔両用タイプもあり、入学式や結婚式などにも使えるデザインなら持っていて損はありません。ぜひ自分の状況に合わせて、賢明な判断をしてみてください。
男女別 喪服バッグの考え方
喪服バッグに関するマナーは基本的に男女共通ですが、男性の場合は必ずしもバッグを持たないなど事情が異なる点もあります。一方女性の場合はほぼ必需品です。ここでは男女別の喪服バッグに対する考え方や注意点をまとめます。
女性の喪服バッグの基本ルール
女性にとって喪服用のバッグは必需品といえます。女性は男性に比べ持ち物が多くなりがちで、ハンカチや化粧直し道具、予備のストッキングなども持参することがあります。そのためバッグは必ず持つものとして考え、荷物が収まるサイズ感かどうかも重要になります。女性のフォーマルバッグは礼服売り場やネット通販で数多く販売されています。デザインもワンハンドル・ツーハンドル、布製・革製、リボン付きなど様々ですが、マナーに適った範囲で好みのものを選べばよいでしょう。派手すぎず地味すぎず、長く使える質の良いものを選ぶのがポイントです。季節を問わず使えるか、年齢を問わず使えるかも購入時に考慮すると、一生もののバッグになります。
男性はバッグを持ってもいい?
男性の場合、葬儀の場では基本的にバッグを持たないのがマナーとされています。スーツにはポケットが多く、香典やふくさ、数珠など必要なものはスーツの内ポケット等に収められるため、手ぶらで参列するのが一般的という考え方です。実際、多くの男性参列者は財布と携帯くらいしか持たず、荷物を極力減らしている光景が見られます。
ただし、男性でも荷物がどうしても多い場合や、職業柄バッグを常時持ち歩いている場合もあります。その際は小さめのバッグを用意すれば持参しても構いません。ただし、ビジネスバッグで代用しないことです。どうしても持って行かざるを得ない場合は、受付で預けるか椅子の下に隠すなど目立たせない配慮が必要です。男性がバッグを持つ場合も、色・素材・金具のマナーは女性と同様です。黒無地で艶消しの革や布製クラッチが基本です。
サブバッグを使う場合の注意点
男女問わず、サブバッグを用いるケースがあります。香典返しや会葬礼状を持ち帰ったり、女性なら靴を履き替える場合の靴袋が必要だったり、小さな子連れで荷物が多かったりする場合です。その際はメインバッグと同様のマナーでサブバッグも選びましょう。市販のフォーマルバッグには折り畳み式の布製サブバッグがセットになっているものもあります。そうした黒無地のサブバッグを活用するとよいでしょう。ただしメインバッグとは異なり、トートバッグタイプでも構わないとされています。手提げ型であれば多少カジュアルでも許容範囲ですが、できれば法事用に売られているシンプルな黒トートを使うと安心です、サブバッグも葬儀の一部と考え、目立たず上品なものを選ぶことです。決してキャラクターデザインのエコバッグなどを代用しないよう注意しましょう。
喪服バッグはどこで準備する?
最後に、「そもそも喪服用のバッグを持っていない人」はどのように入手・準備すればよいかについて触れておきます。選択肢はいくつかあり、状況に応じて購入・レンタル・借用などを検討できます。専用バッグを用意したほうが良いケースや、今後の使用頻度を踏まえた判断軸についても見てみましょう。
フォーマルバッグを持っていない人が取れる選択肢
喪服バッグを持っていない場合、主に以下のような選択肢があります。
- 購入する: デパートのフォーマルコーナーや専門店、紳士服量販店などで購入可能です。最近はショッピングモールのフォーマル売場やネット通販でも手に入ります。時間に余裕があれば、実物を見て長く使える一品を選ぶと良いでしょう。
- レンタルする: 急な訃報で間に合わないときは、喪服レンタルサービスを利用する手もあります。近年は喪服フルセットにバッグや靴まで含まれるプランもあり、手ぶらですぐ参列できる安心感があります。3泊4日で数千円と買うより安価な場合も多いです。
- 他人から借りる: 親戚や友人などにフォーマルバッグを借りるのも選択肢です。サイズが合わないということも少ないアイテムなので、信頼できる人に相談してみるといいでしょう。
自分の状況に応じて、上記から最適な方法を選びましょう
専用バッグを用意したほうがよいケース
- 近親者として参列する予定がある: 親や祖父母など身内の葬儀に臨む場合、自分が喪主側・遺族側になることもあります。その際バッグがカジュアルでは恥をかきますし、写真にも残ります。親族であればなおさら正式なバッグを用意すべきです。
- 年齢・立場的に葬儀参列が増える: 30代以降になると職場関係や友人知人の親族など葬儀に呼ばれる機会が徐々に増えます。社会人として「葬儀用の装い」を一式持っておくのはマナーの備えとして重要です。
- 現在の手持ちが明らかにNG: 黒バッグは持っているものの、どう見てもフォーマルには不向きな場合は、新調をおすすめします。
- 同時に他のフォーマル小物も必要: 喪服バッグを持っていない人は、もしかすると喪服用の靴や数珠、黒ストッキングなども不足しているかもしれません。そういう場合はフルセットで準備するのが良いでしょう。
慌てて安物で間に合わせるより、落ち着いて選んだ一品を持っておくほうがいざという時安心です。
よくある質問(Q&A)
最後に、喪服バッグについて多くの人が疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめます。
Q.「喪服に合わせるバッグはやはり黒以外は絶対ダメですか?」
A.基本的に黒以外は避けるのがマナーです。ただし、急な通夜などではごく濃い紺や濃いグレーがやむを得ず許容される場合もあるとされています。手持ちがなく急場で駆け付ける際には「あくまで暗い無地の色」であることを最低条件にすれば代用可能なこともあります。黒以外でも特に明るい色・模様入りは絶対NGです。万一黒バッグが用意できず紺などで代用する場合も、光沢や柄がないものに限ります。理想を言えば、どんな場合でも黒以外は使わないのがマナーだと心得ておきましょう。
Q.「有名ブランドの黒バッグはダメですか?ロゴが小さければ平気?」
A. ロゴ・金属プレート・記号的な意匠が目立つもの、繰り返し模様が全体に入るものは避けましょう。弔事では「バッグが主張しないこと」が最優先です。一方、外見に意匠がほとんどなく、黒無地で装飾がなく、金具が目立たないバッグであれば、使える場合もあります。ただしゴールドやシルバーなど光る金具が見えると不向きになりやすいので注意してください。
Q.「フォーマルバッグは布製と革製どちらがマナー的に安全ですか?」
A. より無難なのは布製のバッグです。伝統的なマナーでは「殺生を連想させない布製が正式」とされ、今でも布製が最も格式高い選択とされています。布製のフォーマルバッグならまず間違いなくどんな葬儀でも受け入れられるでしょう。

