マナー

葬儀や法事で喪服も着る時にネクタイはどうする?〜選び方や結び方、注意点を解説〜

お通夜や葬儀・法事の場では、男性は喪服(ブラックスーツ)にネクタイを着用するのが基本マナーです。ネクタイを締めないラフな装いはカジュアルすぎる印象を与えてしまい、故人やご遺族に失礼にあたります。ビジネスシーンではクールビズなどでノーネクタイも増えていますが、弔事では必ずネクタイを着用しましょう。一般的に弔事で使われる黒いネクタイは「喪に服す」意味を持ち、“弔事用ネクタイ”とも呼ばれます。

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シーン別に適したネクタイとは

喪服に合わせるネクタイは、参列するシーン(葬儀当日、年忌法要など)によって若干マナーが異なりますが、基本は無地の黒ネクタイです。ただし、時期や宗教の違いに応じて例外もあります。それぞれの場面にふさわしいネクタイを選ぶことで、周囲から浮かず恥をかかないようにしましょう。

葬儀や一周忌までの喪服は黒ネクタイ

葬儀・告別式や初七日、四十九日、一周忌(亡くなってから満1年後の法要)までは正式な喪の期間とされ、多くの場合は正喪服・準喪服を着用します。そのため一周忌までは喪服に黒無地のネクタイを締めるのが一般的なマナーです。それぞれの家庭や宗派によって差がある場合がありますが、少なくとも一周忌までは黒ネクタイを使うのが無難です。

三回忌以降で平服の場合は?

一周忌を過ぎた三回忌(亡くなってから満2年後の法要)以降は、喪服ではなく「平服」で行うケースが増えます。平服といっても普段着という意味ではなく、男性の場合は喪服以外のダークスーツ(黒や濃紺、ダークグレーなど)を着用するのが基本です。ネクタイもこのタイミングで黒以外のものも着用できるようになります。ただし、派手な色は避け、スーツに合わせた紺やグレーで無地の落ち着いたものを選びましょう。

宗派によっては違いも

日本では一般的に葬儀のネクタイは黒とされていますが、一部宗教・宗派によっては白色のネクタイを着用する場合もあります。ただし、これらは特殊な場合で、一般的には黒ネクタイが常識です。参列予定の葬儀が特定の宗派で行われると分かっている場合は、事前に喪主側に服装の指定がないか確認しておくとよいでしょう。

喪服にふさわしいネクタイとは?

喪服に相応しいネクタイとは、どのようなものか具体例をあげて説明します。
基本的には黒の光沢のない無地で、素材はシルクが良いとされています。ただし、光沢がなければポリエステルなどの生地でも構いません。柄や艶のあるネクタイと、ネクタイピンなどの装飾品は避けましょう。

黒無地・光沢なしが基本

葬儀・告別式や法要で着用するネクタイは、漆黒の無地で光沢のないものが基本です。黒い色味は「故人への想いの深さ」を表すとされ、一般的には深い黒色が好まれる傾向にあります。そのため、ビジネス用の濃紺ネクタイや濃いグレーではなく、できるだけ深い黒色のネクタイを選びましょう。また、生地に光沢があるものやストライプ模様・地紋入りのものはマナーに適していないと思われる可能性があります。

素材(シルクやポリエステル)の違いと注意点

弔事用ネクタイの素材として代表的なのはシルク(絹)ですが、光沢のない無地の黒色ネクタイであればポリエステルなどの素材でも問題ありません。シルク素材の黒ネクタイは上質で深みのある漆黒を表現できますが、お手入れに気を遣う必要があります。最近ではポリエステル製など手頃な価格の喪服用ネクタイも多く、シルクに近い質感のものもあります。

柄入り・艶あり、ネクタイピン使用がNGな理由

葬儀の場では目立つ装飾や華美な印象を与えるものは避けるのがマナーです。そのため、ストライプや小紋柄など柄の入ったネクタイや、生地に光沢のあるネクタイなどは避けましょう。一部には織り柄が非常に控えめな黒ネクタイも市販されていますが、人によってはマナー違反と捉えられるので避けるのが無難です。また、ネクタイピンの使用も避けましょう。ネクタイピンは本来ネクタイを固定する実用的なアクセサリーですが、金属光沢があり装飾品の一つとみなされます 。葬儀では光るものやアクセサリー類は身に付けないのが原則のため、たとえシンプルなデザインでも喪服でネクタイピンを付けるのは控えてください。

一般的な喪服の際のネクタイの結び方

喪服用のネクタイを正しく締めることも大切です。結び方そのものに厳しい決まりがあるわけではありませんが、派手に見えないよう控えめな結び方を心掛けましょう。ここでは一般的によく使われる「プレーンノット」という結び方と、その他の結び方をする場合の注意点を説明します。

プレーンノット

プレーンノットはもっとも基本的なネクタイの結び方で、「シングルノット」や「フォア・イン・ハンド」とも呼ばれます。ネクタイを正面から見たとき、結び目が小さく細長い逆三角形になるシンプルな結び方です。実用面でも結び方がシンプルで短時間で整えやすく、誰でも結びやすい形となっています 。プレーンノットで締めたネクタイは全体がすっきりとまとまり、喪服姿に調和して控えめな印象を与えます 。結び方のコツとしては、結び目をきつく締めすぎず適度な大きさに整えることです。小さすぎると貧相に、大きすぎると存在感が出てしまうため、シャツの襟元に収まるほど良いサイズにします。また、結び目の下にディンプル(くぼみ)を作らないよう注意しましょう 。ディンプルは通常はネクタイを立体的に見せるおしゃれテクニックですが、葬儀の場では華やかすぎる印象となってしまうため控えましょう。

プレーンノット以外の結び方と注意点

葬儀でのネクタイはプレーンノットが最適ですが、他の結び方を絶対にしてはいけない、というわけではありません 。一般的には、普段慣れている結び方でも問題ないとされていますが、弔事の場ではプレーンノットがもっとも無難な結び方とされています。しかし、やむを得ずプレーンノット以外で結ぶ場合は、結び目が大きくなりすぎないよう調整することと、ディンプルは作らないことが肝心です 。また、結び目がゆがんで斜めにならないよう丁寧に形を整え、襟元にきっちり収めましょう。ネクタイの結び目は、装い全体の印象を左右する重要なポイントです。派手さを抑え、故人への敬意が伝わるよう意識して整えましょう。

こんな結び方・見た目はNG

葬儀の場ではスーツやネクタイの細かい部分までマナーが求められます。「これくらい大丈夫だろう」と油断していると、意外なところで悪目立ちしたり失礼にあたることもあります。以下に、喪服のネクタイに関してやってはいけない結び方・見た目の例を挙げます。当日に焦らないよう、事前に確認しておくと安心です。

結び目が緩い・斜め・大きすぎる

緩んだ結び目や首元に隙間がある締め方は、だらしない印象を与えてしまいます。襟元まできちんと結び目を上げ、緩みがないように締めましょう。また、結び目がぐらついて斜めになっているのも見栄えが悪くなってしまうので、鏡の前で正面を向いたときに結び目が真っ直ぐになっているか確認しましょう。さらに、結び目が大ぶりだとそれだけで目立ってしまうため、可能な限り小さめでコンパクトにまとめ、結んだあとは結び目を指で締め上げて形を整えると良いです。

ネクタイが短い/長すぎる

ネクタイの長さが極端だと、だらしない印象につながります。結び終えたとき、大剣(ネクタイの太いほうの先)がベルトのバックルにかかる程度の長さが適切です 。これより短く、剣先が胃のあたりに来てしまうと子供っぽい印象になり、だらしなく見えます。また逆に剣先がベルトより下に垂れ下がるほど長いのも不恰好で、スーツのバランスが崩れて見えてしまいます 。自分の身長に合った長さのネクタイを選び、結び目の位置を調整して適切な長さになるよう結びましょう 。

極端に細いネクタイ(ナロータイ)もフォーマルな場にはふさわしくありません。最近はスーツの流行でナロータイを好む方もいますが、葬儀では一般的な幅のタイを着用しましょう。あまりに細いとカジュアルで若々しい印象が強く、弔事の厳粛さにそぐわなくなります。反対に幅広すぎるタイも古臭く見えるため、手持ちの中から無難な幅のものを選ぶと良いでしょう。

女性・子どもの注意点

葬儀の服装マナーは基本的に男女で異なります。女性は通常ワンピースやアンサンブルスーツなどを着用し、男性のようにネクタイを締める習慣はありません 。また子どもの参列時も、大人とは違うポイントがあります。ここでは女性や子どものネクタイに関する注意点について解説します。

女性喪服でネクタイ着用が必要なケース(職場・制服など)

一般的に、女性が喪服でネクタイを着用する必要はありません。女性の喪服は黒無地のワンピースやスーツが基本で、ネクタイを締めることは通常ありません。ただし、職場や立場の都合でネクタイ着用が定められている場合は例外となります。制服着用が義務付けられている職種では、所属先の制服規定や上長の指示に従いましょう。特別な指定がない限り、一般の女性参列者がネクタイを着用する必要はなく、ネクタイなしの喪服で問題ありません。

学生の制服ネクタイの扱い

中学生・高校生など学生が葬儀に参列する場合、基本的には学校の制服を着用すればそれが正式な礼装代わりとなります 。男子学生で普段の制服が学ラン(詰襟)の場合はネクタイはありませんので、そのまま参列して問題ありません 。ブレザー制服でネクタイやリボンが指定されている場合も、基本的には学校指定のものを着用したまま参列して大丈夫です 。また、小学生以下の子どもは制服がなければ無理にネクタイを着ける必要はありません。小学校の制服(標準服)がある場合も、ネクタイ着用が義務でなければ無理にさせなくても構いません 。
学生の場合は「制服」が正装ですので、制服に含まれないアイテムを新たに足す必要はありません 。中高生で制服がない(私服通学)場合は、男子なら白シャツに黒無地ネクタイ、女子も黒の控えめなワンピースなどを用意するとよいでしょう。いずれにせよ、大人ほど厳密に考えなくても大丈夫ですが、派手になりすぎないよう配慮してください。

アイロン・収納など、清潔に見せるポイント

喪服用のネクタイを清潔感ある状態で身につけることもマナーの一部です。いくら正しいネクタイを選んでも、ヨレヨレでシワだらけでは台無しになってしまいます。ネクタイを清潔に美しく見せるためのお手入れポイントを解説します。日頃からの保管方法から、出発前日に確認すべき点まで押さえておきましょう。

シワ・ヨレが印象を損ねる

黒無地の喪服ネクタイは汚れや傷みが目立ちにくいとはいえ、シワやヨレがあると一気にだらしない印象になってしまいます。頑固なシワが残っている場合はアイロンのスチーム機能などを使ってシワを伸ばしましょう。またネクタイのヨレ(ねじれ)にも注意しましょう。長年使っていると芯地が偏ってネクタイ自体がねじれてしまい、まっすぐ綺麗に結べなくなることがあります。その場合、「たるみ糸」というネクタイ裏の調整糸を引いて直す方法もありますが 、難しければ買い替え時かもしれません。ヨレヨレで型崩れしたネクタイは見すぼらしくなるので、常に状態をチェックして、傷んだものは早めに新調しましょう。

前日にチェックすべき点

葬儀参列の前日には、ネクタイの状態をしっかり確認しておきます。以下に当日慌てないためのチェックポイントをまとめます。

①ネクタイの種類を確認:必ず黒無地・光沢なしの弔事用ネクタイを用意します。黒に見えても濃紺だった、織柄が入っていた等のミスがないよう前夜のうちに確認しましょう。

②汚れ・シミがないか:ネクタイに食べこぼしのシミやホコリ汚れが付いていないか点検します。ホコリはブラシやガムテープで取り除きます。

③シワの有無を確認:ネクタイ全体を広げてシワが目立たないか見ます。シワがある場合はアイロンのスチームを当てて伸ばしておきます 。特に結び目に深い折りジワが残っていると締めたとき不格好なので、入念にケアをしておきましょう

④保管状態のチェック:クローゼットに長くしまいっぱなしだった場合は、生地がヨレていないか、カビ臭がしないかも確認します。しまう際はシワが付かないようネクタイハンガーに一本ずつ吊るすか、ゆるく巻いて保管すると良いでしょう 。取り出したら一度軽く吊るして風通しし、生地を整えてから使います。

以上の点を前日に確認しておけば、当日は落ち着いて身支度ができるはずです。清潔できちんと整えられた喪服のネクタイで参列し、故人に最後の敬意を表しましょう。

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