
突然の葬儀で「手持ちの喪服が入らない」「どんな服装なら無理なく参列できるのか」と悩む妊婦さんも多いのではないでしょうか。妊娠中は体型も体調も変わりやすく、普段以上に喪服選びに迷ってしまいますよね。
マタニティ期の喪服には、手持ちの黒い服で代用する方法、購入する方法、そして必要なタイミングに利用するレンタルという選択肢があります。ただし、フォーマル度や着心地といった服装のポイントのほか、使用頻度や必要な期間なども考える必要があり、「どの方法が自分に合っているのか」判断が難しい場面もあるかもしれません。
この記事は、喪服レンタルサービス「喪服レスキュー」が、妊娠中の喪服準備と服装選びのコツをわかりやすくまとめたものです。体調を優先しながら、葬儀の場にふさわしい装いを整えたい方は、ぜひ参考にしてください。
マタニティ期に喪服が必要になったらどうする?
マタニティ期は急な体型変化や体調への配慮が必要なため、普段とは異なる視点での喪服選びが求められます。
原則として「参列する立場に応じた格式」は重要ですが、妊娠中は「体調やお腹の締め付けのなさ」を優先することがマナー上も許容されています。具体的にどのような服装が適切か、状況別にご説明します。
妊娠初期は「通常通り」、お腹が目立つ時期は「手持ち服」も検討を
妊娠中は、正喪服・準喪服・略喪服のいずれのシーンであっても、妊娠初期でお腹が目立たないうちは、基本的に通常の喪服を着用して問題ありません。
一方で、お腹が大きくなり通常の喪服を着ることが難しくなってきた場合は、状況によっては手持ちの黒いワンピースやフォーマルな黒い服で代用できることもあります。
ただし、代用には周囲の理解が必要です。相談できる親族がいなかったり、立場上しっかりとした喪服を着た方が適切と思われたりするシーンでは、マタニティ専用の喪服を着用した方が無難です。
【正喪服・準喪服】喪主や近親者、お通夜・告別式の場合
喪主や三親等までの近親者として参列する場合、お通夜や葬儀・告別式、三回忌までの法事においては、格式の高い「正喪服」や「準喪服」が求められます。
しかし、「正喪服」のマタニティ用は市場にほとんど流通していません(レンタルでも入手困難です)。そのため、本来は正喪服が必要な立場であっても、妊婦さんの場合は「準喪服(一般的なブラックフォーマル)のマタニティ用」で代用して良いケースがほとんどです。念のため親族に相談しておくとよいでしょう。
マタニティ用の準喪服は購入も可能ですが、必要になる期間が限られているため、レンタルを利用する方も多くなっています。
【略喪服】急な弔問や三回忌以降の法事の場合
急な弔問や、三回忌以降の法事など「略喪服」で構わないシーンでは、黒・紺・グレーなどの落ち着いた色のワンピースで代用可能です。
この場合、必ずしも喪服を購入する必要はありません。 もし手持ちに適した服がない場合でも、わざわざ喪服を買い足す必要はなく、マタニティ用の一般的な衣類を着用してもマナー違反にはなりません。光沢のない素材を選び、華美にならないよう配慮しましょう。
購入・レンタル・手持ちでマタニティ期の喪服を準備するときのポイント
妊娠中に喪服を用意する方法は、「レンタルを利用する」「手持ちの洋服で代用する」「マタニティ用の喪服を購入する」の大きく3つに分けられます。どの方法が適しているかは、妊娠週数や体型の変化、参列する場の格式、今後の使用頻度、予算などによって変わります。ここでは、マナーを守りつつ体への負担を減らせる喪服の準備方法について解説します。
マタニティ喪服のレンタル
体型の変化が大きい妊娠期は、その時点での体型に合わせたサイズを選べるレンタルが便利です。臨月に近い方でも着やすいサイズが揃っているサービスもあり、体への負担が少ないものを選べます。即日発送や当日受け取りに対応するサービスも多いため、突然、不幸があっても慌てず準備できる点もメリットです。
使用頻度が少ないマタニティ喪服を購入するよりも費用を抑えられ、小物がセットになったプランを利用すれば買い揃える手間も軽減できます。
手持ちの洋服で代用
喪服を用意できない場合、光沢のない黒無地で装飾の少ない服を選べば代用できる場合もあります。長袖または七分袖・膝下丈が基本で、サテンや透け感のある素材、フリルや大きなリボンは控えましょう。また、どうしてもフォーマル度は低くなってしまうため、マナーを重視した方が良さそうな場合は親族に相談した方が無難です。
ブラウスとスカート・パンツの組み合わせも許容されることが多く、体型をゆったりカバーできる黒のパンツやスカートなどを選ぶと良いでしょう。
マタニティウェアとして利用できる服を購入
ユニクロやしまむらなどの身近なブランドで黒い服を用意する方法もあります。手持ちの服で代用する場合と同様にフォーマル度は低いため、着ても問題ないか親族に相談した方が無難です。
選びやすいアイテムは、ゆったり着られる黒のワンピースや、チュニックに黒パンツ・マタニティレギンスを合わせるコーディネートです。シワになりにくく、飾りの少ない素材を選びましょう。
喪服以外の服で代用する場合、小物でフォーマル感を補うことが大切です。黒の無地バッグや一連パールを合わせると、より落ち着いた印象で参列できます。
| 【ゆったりサイズの服が手軽に購入できるブランドの例】 ・ユニクロ ・しまむら ・H&M ・無印良品 など |
マタニティ喪服の購入
喪服を購入する際は、前開きのデザインや授乳口付き、ウエスト調整機能のあるタイプを選ぶと、産後まで活用できるのでおすすめです。
また、親族の葬儀や社葬など、格式の高い場に参列する場合に必要とさる正喪服はレンタルでは扱っていないことが多いため、必然的に購入することになります。
購入は、百貨店のフォーマル売場やブラックフォーマル専門店、マタニティ向け通販サイトなどで可能です。
タニティ期の喪服・服装選びで注意したいこと
妊娠中の喪服選びは、お腹周りがゆったりしたデザインを選ぶことが重要です。会場の冷暖房対策に羽織る服を用意し、足元は転倒防止のため低いヒールの靴を選びましょう。ストッキングもマタニティ用を選び、締め付けによる負担を避けることが大切です。
カーディガンなどの羽織る服を用意しておく
妊娠中は体温が安定しにくく、会場の冷暖房や変化する外気温が負担になることがあります。急な寒さにも対応できるよう、式場では羽織りものを一枚持っておくと体調管理がしやすくなります。
羽織りものも、喪服のマナーに沿って選びましょう。黒・無地で光沢のない素材が基本で、薄手の黒いショールや、シンプルな黒のジャケット、ボレロなどが無難です。一方、毛皮やレザーは殺生を連想させるため葬儀では避けましょう。夏場でも冷房が強い会場もあるため、薄手の羽織りを用意しておくことをおすすめします。
お腹まわりがゆったりしたデザインを選ぶ
妊娠中に葬儀へ参列する際は、お腹まわりにゆとりのあるデザインを選ぶことが大切です。お腹や胸、腰まわりを強く締め付ける服は、体調不良につながる可能性があるため避けましょう。
特に妊娠中期以降は体型の変化が急に進むこともあります。今の体型に無理なく合うか、当日さらに体調が変わっても苦しくないかを基準に選ぶと落ち着いて過ごしやすくなるでしょう。
ヒールは低いものを選ぶ
妊娠中は重心が変わりやすく、足元が見えにくいため転倒のリスクが高まります。さらにむくみも出やすいため、靴選びにはいつも以上に注意しましょう。ヒールが3cm以下のローヒールやフラットシューズを選ぶと、体への負担が少なく済みます。
靴の色は黒で、布製や合皮など光沢のないシンプルなパンプス型が基本です。ストラップ付きのデザインや太めのヒールは安定しやすく、歩行時のふらつきを抑えてくれます。むくみが気になる場合は、当日のサイズ変化を見越して、普段より少し大きめのサイズを試すのがおすすめです。
ストッキングはマタニティ用を選ぶ
フォーマルな場では肌の露出を控えるため、黒のストッキングを着用するのが一般的です。妊娠中はお腹まわりの締め付けを避ける必要があるため、腹部が立体的に作られたマタニティ用ストッキング、または着圧が弱めのタイプを選ぶと負担が少なく済みます。
一方、黒の厚手タイツはカジュアルな印象になりやすく、葬儀には向きません。季節に関わらず、フォーマル感を損なわない薄手の黒ストッキングを選びましょう。
葬儀に参列する妊婦さんが気になる疑問
実際に参列するとなると、服装や持ち物、体調面など、妊婦さんならではの気になる点も多いでしょう。妊娠中の葬儀参列は体調優先で判断し、欠席する場合は弔電などで弔意を伝えます。参列時には母子手帳や保険証なども持参しましょう。体調が悪くなったら無理せず退出し、心と体への負担を避ける選択も大切です。
そもそも妊娠中に葬儀に参列しても問題ない?
一般的に、妊娠中でも葬儀へ参列すること自体は問題ありません。故人を悼む気持ちが大切であり、妊娠を理由に参列を禁じる決まりもありません。ただし、優先すべきは母子の体調と安全です。
妊娠初期でつわりが強い時期や、臨月で陣痛・破水の可能性が高まる時期は、無理をせず医師に相談して判断しましょう。
やむを得ず欠席する場合はどうする?
やむを得ず欠席する場合は、代理の参列、弔電、香典の郵送などで弔意を伝えるようにします。また、「妊娠中」という詳細を伝えるかどうかはデリケートな問題ですが、体調を理由にするのが一般的です。
服装以外の持ち物や準備は?
まず、母子手帳と保険証やマイナンバーなどは持参しましょう。万が一体調が悪化した際、すぐに医療機関を受診できます。
長時間座る葬儀の場合は、座布団やクッションがあると腰やお腹への負担を和らげられます(持ち込みの可否は事前に確認しましょう)。また、ハンカチや予備のマスクも、つわりや急な体調不良時に備えて持っておくと心強いアイテムです。
体調が悪くなったときに途中で退出しても良い?
葬儀や告別式の途中で体調が悪くなった場合は、我慢せずに退出して休むことが大切です。途中退席はマナー違反にはあたりません。
参列前に、親族や会場スタッフへ妊娠中であることを伝え、出入口に近い席を用意してもらうと、体調が急に変わった際もスムーズに動きやすくなります。特につわりや立ちくらみ、頻尿などを無理に我慢すると、母子ともに負担が大きくなる場合もあります。体調に違和感があれば「すぐに休む」ことを優先にしましょう。
葬儀に関する迷信は気にしなくていい?
「妊娠中に葬儀へ行くと良くない」といった昔ながらの迷信には、科学的な根拠はありません。お腹の赤ちゃんに影響が出るという心配をする必要はなく、現代では気にしなくても大丈夫とされています。
ただ、妊娠中は気持ちが不安定になりやすい時期でもあります。もし迷信が頭から離れず、心の負担が大きく感じられる場合は、無理に参列しない選択も大切です。故人を悼む気持ちは、必ずしも参列という形だけで表す必要はありません。代理の参列や弔電など、精神的に落ち着いて過ごせる方法をとりましょう。
マタニティ期の喪服選びはマナーを守りつつ、体調や動きやすさを優先しよう
妊娠中の葬儀では、喪服のマナーを守りながらも、まずは母子の安全を優先にすることが大切です。体調が変わりやすい時期だからこそ、締め付けの少ない服装や、体調に変化に対応できる対策を整えておくと、葬儀の時間も過ごしやすくなります。
また、まだお腹が大きく見えない時期でも、手持ちの喪服が入らなくなることは珍しくありません。そんな時は、喪服レンタルという選択肢を考えてみるのもおすすめです。
「喪服レスキュー」では7号から19号までサイズ展開があり、体型に合わせた一着を選べるため、急に喪服が必要になっても落ち着いて準備ができます。
とはいえ、体調が変わりやすい時期の参列は無理をしないことが一番です。体調と相談しながら、できるだけ負担の少ない方法で故人を偲ぶ時間を過ごすようにしましょう。
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マタニティ期の喪服選びについてのQ&A
Q.マタニティ喪服はどうやって用意したらいいですか?
A.マタニティ期の喪服を用意する方法には、費用を抑えやすく体型に合わせやすい「喪服のレンタル」、手軽な「喪服以外の服で代用」、格式のある場にも対応しやすい「マタニティ喪服の購入」などがあります 。体型変化が大きい妊娠期は、その時点のサイズを選べるレンタルが便利です 。
Q.マタニティ喪服を代用する場合はどんな服が良いですか?
A.手持ちの服を代用する場合は、光沢のない黒の無地で、装飾の少ないデザインを選びましょう。長袖または七分袖・膝下丈が基本です。ゆったり着られるワンピースや、黒のパンツと組み合わせるコーディネートがおすすめです 。
Q.マタニティ用喪服と通常の喪服は何が違う?
マタニティ喪服は伸縮性やゆとりがあり、体型変化に対応しやすい設計が特徴です。また、産後も利用できるように授乳口付のデザインも多いです。
Q. 喪服を選ぶとき、お腹周り以外で気をつけることは?
A.転倒防止のためヒールが3cm以下の低い靴を選びましょう。また、妊娠中は体温調節が難しいため、会場の冷暖房に対応できる黒いカーディガンなど羽織る服を用意しておくと安心です。ストッキングも腹部を圧迫しないマタニティ用を選ぶことが大切です。
